辻元清美さんの政治活動の目的と品位をあらわすエピソード
週刊新潮 2005年10月13日号 特集 「アダルトショップ」主催イベントで講演した「辻元センセイ」より
「じゃあ、オークションを開始しまーす。5000円からでーす!」と、声を張り上げた女性司会者に、
「5500円!」と、たちまち女性客の一人が応じたのが初値。
女性司会者が、「もともと、これは定価6000円の商品なんですよー」と、断りを入れると、
即座に「6000円!」「6500円!」「7000円!」と、値がグングン、つり上がって行く。
10月1日、午後8寺30分—。
渋谷区のライブハウスで行われていた女性限定のイベント「女祭」での一幕である。
休憩時間のオークションに出品されたのは、鮮やかなパープルの色合いをした巨大なバイブレーターだった・・・・・。
しかもこのイベントのメインゲスト、辻元清美代議士が油性マジックで書いた「直筆サイン入り」という
大変な希少価値を持つ素晴らしい一品だったのだ。
結局、20代から50代と思わしき女性まで3~4人が競り合い、「7500円でいいですか—」
という司会者の声にすかさず、「8000円」との応札があり、「辻元清美サイン入り」バイブは、
定価プラス2000円で落札されたのである。
むろんこれは日本に1本しかない超レア物だ。
普通の政治家ならば品性や教養が邪魔して、なかなかサインできないことを鑑みれば、
世界的にも珍しい宝物といえなくもない。
それがわずか2000円程度のプレミアでは残念なことこの上ないのだが、それはともかく、いったい、
彼女は何を考えて、色紙や自身の出版物ではなくバイブレーターにサインして、競りに掛けたのか。
その経緯をご説明するためには、この「女祭」といういべんとについて少々触れなければならない。
午後6時—。
入場料6000円の「女祭」には100人ほどの客が詰め掛けていた。
主催者は南青山にある女性専用のセックスグッズ店「ラブピースクラブ」で、そのオーナーは、
フェミニズム運動の世界では名の知れた北原みのり氏(34)である。
辻元代議士以外のゲストも笹野貞子・元参議委員議員の娘でレズビアンを告白した歌手、笹野みちる氏(37)や、
70年代にデビューしたものの「レイプフィーリング」という局で放送禁止処分を受けたブルース歌手の
小林万里子氏(51)・・・・・。
いずれも筋金入りの「女権拡張運動家」といって差し支えあるまい。
バイト先の先輩に強引に誘われて、「女祭」を訪れた女子大生がいう。
「20代、30代の女性が半分くらいでしたけど、化粧っ気のないすっぴんの方がほとんど。
髪が短くて、メガネを掛けてた小太りの人が多かったかな。ネルシャツをズボンの中にしまって、
靴はニューバランスのスニーカーという感じのファッションが主流でした」
秋葉原で見かける「アキバ系カジュアル」の女性版ということらしい。
女子大生が続ける。
「すごく驚いたのは、トークショーやライブの盛り上がり方が普通じゃないんです。
ゲストの人が、”女性が男性に虐げられている”という趣旨の発言をすると、”そうだー”とか”ふざけるなー”とか
会場のあちこちから一斉に叫ぶ声と拍手が聞こえてきて・・・・・。
強烈な連帯感と仲間意識が伝わってきました・・・・・」
特に小林万里子氏が、「女は便所 男の便所」という歌詞の「便所ブルース」を歌ったときや、
笹野みちる氏が「性差別」の歌を熱唱した時には、会場全体が異様な熱気に包まれたという。
興行的には大成功を収めたイベントだったわけだが、この席で、辻元代議士はどんな話をしたのか、といえば、
1時間以上も関西弁で話し続けたそうだ。
「週刊新潮、来てへんやろな」と前置きした上で、「小泉さんってマッチョやで単なるマッチョ男」
「私の政策の柱はピースでエコでフェアでフェミ」「私の事件、メディアによる2次被害みたいなのを今も
やられてるからね」
「国会議員っていうのは、国民の生命と財産を守るとか言われてるけど、私は
そんなつもりでなってへん。
私は国家の枠をいかに崩壊させるかっていう役割の国会議員や」・・・
今でも、3年前の春、本誌の記事が秘書給与詐取事件の発火点になったことがトラウマのご様子。
だが、さすがに聴衆の心を摑むのは上手で、万雷の拍手を浴びたのだ。
実際、聞いていた30代の参加者は「感動したー。ほんとに良かった。だってムカつくのはさ、男社会だよね。
偏見だよね。ほんと、ムカつくよー、男は・・・・・。私たちは性のオモチャじゃないんだから・・・・・。
辻元さんにはほんとっ、総理になってもらいたいよっ」
しかしながら辻元代議士は、ほんらい、この会場の聴衆ほどには「男性嫌い」というわけでは全くない。
場合によっては、妻子ある辣腕弁護士と手をつないでラブラブデートをしていたことは、
2年前にグラビアページで報じた通りである。
幸い今回の聴衆はその件をすっかりお忘れだったようで、20年ほど前に流行ったラディカルな雰囲気の中、
辻元代議士は、会場で展示販売されていたセックスグッズの中から自分の推奨するバイブレーターを選び、
楽屋でサインしたのである。
この件について、翌日、別のイベント会場にいた辻元代議士に伺うと、本紙記者の名刺を目にした瞬間、
顔面が蒼白になり、「こっ、こっ、国会の事務所を通してください」の一言だけだった。
ちなみに、「天空のように澄みきった透明度の高いスカイ・ブルーの政党である」というすばらしく爽やかな
前文から始まる社民党の党則には、「党員たる品位を汚す行為を行った場合」は処分の対象となることが
明記されている。
バイブレーターにサインして喜ぶ代議士を見て、引退した土井たか子前党首はどんな心境だろうか。
週刊新潮 2005年10月13日号